芦沢保の活動日誌



孤独って言う静けさ







1 孤独って言う静けさは優しくもあるけれど
  眠り込むほか仕方ないほどにやりきれない夜もあるわ
  別世界のような街の機械仕掛けの音楽が流れると
  忘れてた寂しさがそっと目を覚ます

  ふと脳裏に浮かぶあの人の面影は
  密かに燻り続ける思い出に火を灯す
  夕暮れの黄昏に暮らしの影を伸ばしてた
  ひたむきな背中が網膜に広がる

  乾いた枝葉が揺れる木立に湿った風が抜ける
  この夜をやり過ごせればまた明日へ繋げられる

2 優しさを当てにし過ぎた季節に憂愁が訪れると
  時の流れも星の瞬きも諦観に徹する
  降り出した雨がひっそり流れる無常を奏でると
  もう一度自分に立ち返る追憶が降りてくる

  あなたが行こうとしなかった 争いへ続く道は
  やっぱり私もまた歩けない道のようさ
  だけど降り注ぐ陽射しは希望に溢れて見える
  幸せのせせらぐ音が微かに聞こえる

  何度でも吹き来る不条理の風がまた近くで渦を巻く
  この夜をやり過ごせればまた明日へ繋げられる

3 憧れと嫉妬に振り回された迷いの霧が晴れると
  一様な空は何者でもなく何もかもの如く
  あなたが辿り着いた心安らぐ悔いの無い境地に
  何時の間にかすぐ其の辺りに感じてはいるのだけど
  この夜をやり過ごせればまた明日へ繋げられる
	









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