芦沢保の活動日誌



一日の内




1 心の海の水面では静かに揺れて待っているの
  底深くでは音もなく絶えなく憂いが回っているの
  風は強くても優しくても迷いを乗せて巡って行くの
  あちらで木の花を散らしてはこちらで柔毛を撫ぜて行くの

  一日の内に少ししか思うように進めないの
  時の川辺で夢を想って歩きながら待っているの

2 記憶の波の岸辺には切なさばかりが打ち上がるの
  過去は重くても明日を思い恥じらいながらも生き延びるの
  陽射しは高く眩しくても慰めにならない思いもあるの
  日暮れの凪の静けさと月日の流れに浸しているの

  一日の内に少ししか思うように進めないの
  時の川辺で夢を想って歩きながら待っているの

3 目覚めの朝も真夜中も空の彼方に星が揺れるの
  どれだけ思い焦がれても時に移ろう願いもあるの
  明日は遠くても瞬くも焦る思いは吹き抜けるの
  遠く遠くへ着かなくても真理の恵みは巡っているの

  一日の内に少ししか思うように進めないの
  時の川辺で夢を想って歩きながら待っているの
  歩きながら待っているの
		






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